最適な介護施設選び&老人ホームランキング #17

介護施設最大手のSOMPOケアが展開する「科学的介護」は、入居者へのサービス向上と職員の負担軽減が狙い。特集『最適な介護施設選び&老人ホームランキング』(全21回)の♯17では、国の科学的介護の情報システム「LIFE」より進んでいるといわれるSOMPOケアの取り組みを取材した。(ダイヤモンド編集部)

「週刊ダイヤモンド」2022年10月29日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

入居者ごとの健康状態を3万人以上のデータと照合
3カ月後の状態を予測して対処する

 SOMPOケアが運営する介護付き有料老人ホーム「そんぽの家 川崎宮前」の佐々木大輔ホーム長は、実証実験中の「自立支援アプリ」をチェックするのが日課になっている。

 自社開発した「自立支援アプリ」は、入居者ごとの健康状態を蓄積された3万人以上のデータと照合し、3カ月後の状態を予測する。そこには3カ月後の退去確率まで示されているという。

 佐々木ホーム長のパソコンの画面上には、75人の入居者のうち常時8~10人が悪化しそうな順から表示されている。食事の量や体重が減少していれば、活動の機能低下が予測され、食事の量を補うような栄養補給を行う。症状が改善されれば、悪化リストから外れることもある。

「経験のある介護職員であれば、入居者の状況は肌感覚で大体は把握できています。ただ、リストに載っている入居者さまは納得する人ばかりではなく、あれ、この人がという人もいます。よく見ると食事にムラがあったり、体重が減っていたりする。感覚では追い切れない部分はどうしてもあるので、アプリには助けられています」(佐々木ホーム長)

 次ページでは、図式化したSOMPOケアの科学的介護への取り組みを掲載。さらに他社が脅威に感じている理由などについて詳報する。