悩む経営者写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍で激変した
日本企業の組織

 2023年がスタートした。国内で新型コロナウイルスが初めて発見されてから、丸3年が経過、コロナウイルス感染拡大に翻弄され、企業組織の在り方は様変わりした。コロナ禍を経験する中で、組織に求められることも変化し、また理想的な組織の形を求めてさまざまな企業が試行錯誤を重ねてきただろう。多くの会社は4月が新年度のスタートであるから、現在は2023年度の事業計画がかなり固まってきた頃だと思う。23年度もいろいろな事件が起こるだろうが、そうした中で、予想される来期の組織づくりや課題のトレンドをまとめていきたい。

【トレンド1】“組織の求心力の復活を望む人”と“自分の仕事だけをしたい人”の対立が深まる

 いよいよコロナの状況に気を揉む状況は終わりつつある。非常時から平常時への転換である。さて、現在、多くの経営幹部が悩んでいるのは“求心力の低下”である。社員がかつてのように一枚岩になってくれないというのである(かつて本当に一枚岩だったのかどうかについては、はなはだ疑問ではあるが)。

 背景には、コロナ対応での在宅勤務。一連の働き方改革による物理的な会社への拘束時間の低下などによって、従業員が会社や仕事について考える絶対的な時間が減り、従業員同士が顔を合わせて会社や従業員について語る時間が減り、同時に社外のことに目が向きやすくなり、他の事物への関心が高まり、最終的には会社や仕事に対するマインドシェアが大幅に下がっているという状況がある。

 経営幹部の間では、この状況に関する危機感が相当に高い。