電撃的なトヨタ社長交代
後任はGRカンパニーの佐藤氏に
突然の社長交代発表だった。トヨタ自動車は26日、4月1日付で豊田章男社長が会長に、新社長に佐藤恒治執行役員が昇格して就任することを公表した。
トヨタがこの役員人事を発表したのが26日の15時30分で、筆者のところに広報部長から「トヨタオウンドメディアのトヨタイムズで生放送緊急会見を16時から行う」とのメールが15時36分に入ったほどの電撃的なものだった。
会見には、章男社長、佐藤執行役員と内山田竹志会長の3人が並んだ。章男社長は「内山田会長の辞意が引き金となった」と今回の社長交代のタイミングの理由を説明した。
内山田会長は、初代プリウスの開発責任者として知られ、トヨタハイブリッド戦略を主導した「環境」の代名詞的存在だ。トヨタ会長とともに、傘下に多数の企業が連なる自動車分野各団体を取りまとめる日本自動車会議所会長を2017年から務めている。日本自動車会議所は昨年に創立75周年を迎えたが、筆者が内山田会長にインタビューした際に「会議所75周年は、私の75歳の年齢と一緒。節目で引き時とも考えている」と語ってくれたのを覚えている。
内山田会長は今年8月で77歳となる。このことから章男社長に辞意を伝え、これを受けて6月の株主総会を待たずに4月の新年度から佐藤新社長に立場を譲ることを電光石火で決断したのだろう。
その意味では、今年に入り章男社長の動きは不可思議なものがあった。