経団連が「モビリティ委員会」を創設
自動車会議所も大型キャンペーンを展開
「自動車産業から“モビリティ産業”へ」。100年に一度の変革期と言われる自動車産業が、モビリティ産業へ転換する動きが一気に加速している。
日本財界の総本山である経団連がモビリティ産業の創出に向けて新設した「モビリティ委員会」の初会合が、8月22日に行われた。この「モビリティ委員会」の共同委員長には豊田章男トヨタ自動車社長と有馬浩二デンソー社長に加え、十倉雅和経団連会長も名を連ねる力の入れようで、まさにオール経団連の陣を敷いたものといえる。
自動車産業の枠組みを超えてモビリティの中長期の戦略を描き、低迷する日本経済のけん引役に育てることが狙いだ。自動車や運輸だけでなく、IT(情報技術)、金融といった200社超がメンバーに入り、日本のモビリティ産業育成へ民間が一体となって政府と連動していく。
このモビリティ委員会発足という日本財界を挙げた動きが進む一方で、自動車関連分野の総合団体である日本自動車会議所は、昨年創設した「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」の公募を9月20日に開始した。今回から大賞のロゴと愛称も制定し、経済産業省・国土交通省・日本自動車連盟(JAF)・全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)からの後援も得て、本格的な日本国内におけるモビリティ新ビジネスや活動の掘り起こしに結びつけていく。
日本自動車会議所の会長は、内山田竹志トヨタ自動車会長が務めている。同会議所は自動車や部品メーカーだけでなく、ディーラーやレンタカーといった自動車にかかわる多様な業種から構成されており、日本自動車工業会をはじめとした業界団体や個別企業が加入している組織だ。