PHOTO: KRISTON JAE BETHEL FOR THE WALL STREET JOURNAL
米グーグルは過去20年の大半をかけて世界最強のデジタル広告事業を作り上げた。この事業を分割すれば、5000億ドル(約65兆円)規模のオンライン広告市場に衝撃が走るだろう。
広告業界やメディア業界の幹部によれば、米政府が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いでアルファベット傘下のグーグルを先週提訴した訴訟に勝ち、同社がウェブ上の広告取引を仲介する技術を分離するよう求められた場合、分離した事業の価値は何百億ドルにもなるという。
マイクロソフトやコムキャストなど、このような事業を買収し得る大手のハイテク企業やメディア企業は、それぞれ反トラスト法上のハードルに直面する可能性があるため、グーグルの資産売却は難しいだろうと業界幹部らは述べている。むしろスピンオフ(分離・独立)の方が可能性が高く、小規模な企業がひしめく広告テクノロジー業界において、スピンオフされた企業が買収者になるかもしれないとの見方もある。