
GAFAMがメタバースに躍起
生き残り戦略としての合理性
GAFAM(IT企業5社であるGoogle、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの頭文字を取った呼び名)に代表されるグローバルIT企業が、メタバースと呼ばれる仮想空間における新サービスを次々と発表している。彼らはメタバースを、VR、SNS、ゲームといった既存サービスの延長的な存在として捉えているように見える。
メタバースには、非中央集権型の社会が構築されるという期待感もある。非中央集権性という観点から考えると、メタバースはウェブ3.0と相似した構造を持つとも言える。
こうした考え方を前提とすると、メタバースは未来的かつユートピアであり、時代の断層的変化を感じさせる。ただし、GAFAMらの目指すメタバースによる新しい社会構築と、非中央集権型の社会とが両立するのかという疑問も出てくる。
GAFAMがメタバースに躍起になっているのは、メタバースが彼らの生き残り戦略として合理的だからだ。メタバースに対する世間の注目度の高まりと、GAFAMの業績が変調していることはカップリングしているように見える。