複合機 “ドル箱”崩壊#5Photo:D-Keine、Nijat Abdullayev/EyeEm/gettyimages

米中対立が激しさを増す中、ついに中国が日本の“お家芸”である複合機に照準を定めた。まずは政府調達から日系企業を締め出すことで揺さぶりをかけ、結果的に日本が中国へ複合機技術を供与するよう促しているのだ。特集『複合機 “ドル箱”崩壊』(全7回)の#5では、日系メーカーが抱える「中国三大リスク」を分かりやすく解説するとともに、各社の“脱・中国依存”戦略に迫る。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

米中対立が日系メーカーにも余波
複合機特有の「恐怖のリスク」とは?

 米中対立のあおりを受け、半導体をはじめ、さまざまな産業で中国ビジネスのリスクが顕在化している。

 複合機業界も例外ではない。グローバルに展開する日系複合機メーカー各社は中国でも生産や販売を行っているため、大なり小なりリスクを抱えている状態だ。

 複合機業界が他産業と決定的に異なるのは、複合機に特有の「中国リスク」が潜んでいる点だ。詳細は次ページで述べるが、専門家によると、日本の企業や官公庁で稼働している複合機から情報が抜き取られ、中国当局に流出している可能性があるという。そんな恐ろしい事態が、知らず知らずのうちに日本全国で進行しているかもしれないのだ。

 次ページでは、日系複合機メーカーが抱える「中国三大リスク」を分かりやすく解説するとともに、各社の“脱・中国依存”戦略に迫る。