今年1月、複合機業界首位のリコーが社長交代を発表した。新社長に就任する大山晃氏は、現社長の山下良則氏が進めてきたデジタルサービス路線の“継承と加速”を標榜している。特集『複合機 “ドル箱”崩壊』(全7回)の#6では、ここ数年で積み重ねた「大量の企業買収劇」に焦点を当てて、リコー新社長が担う首位固め戦略を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
リコーが“電撃”トップ交代
新社長に託された首位固め戦略とは
今年1月、A3レーザー複合機で世界シェアトップを走るリコーの社長“電撃交代”の報が業界を駆け巡った。山下良則社長の後任は、取締役コーポレート専務執行役員の大山晃氏だ。
山下社長は2017年の就任以来、「モノ売り」からの脱却とデジタルサービスへの転換に取り組んできた。大山“新社長”は、山下氏が進めてきた路線の「継承と加速」を標榜している。ハードウエアの販売に依存しない体制構築を進めてきたとはいえ、大山氏には複合機事業の「首位固め」も期待されているところだ。
実は、先代社長の頃からその布石が打たれていた。リコーは、10年にわたり「大量買収」を進めてきていたのだ。
次ページでは、リコーが実施してきた大量の企業買収劇に焦点を当てて、新社長が担う“首位固め戦略”を明らかにする。