複合機大手のコニカミノルタは、2023年3月期に3期ぶりの黒字を計上する見通しだ。特集『複合機“ドル箱”崩壊』(全7回)の最終回では、コニカミノルタの大幸利充社長が、赤字脱却までの苦労を語るとともに、先細りがみえている複合機事業の将来像を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
社長が語る「黒字化への執念」
難局打開の秘策とは
――2023年3月期の第3四半期決算では、3期ぶりの年度黒字化がみえてきました。
赤字が続いていたので、「とにかく黒字化する」ということ以外は、余計なことを言わないようにしてきました。
今期は、上海ロックダウンやゼロコロナ政策の突然の終了など、不測の事態もありましたが、コロナ禍の2年半の教訓を生かして準備してきたことが役に立ちました。
元々当社では、部品在庫をなるべく持たないようにしていたので、前期は半導体不足の影響を大きく受けました。今期は戦略的に部品在庫を持つようにしてきたので、中国政府がコロナ政策を急転換したときも毀損を最小限にとどめることができました。
第1四半期は赤字でしたが、第3四半期までの累計でようやく黒字に転じました。結果を出したことで、投資家が当社を見る目も変わってきたように思います。
まだ23年3月期の期間が終わったわけではないので、最後までしっかり取り組んでいきます。
先細り必至の複合機事業
大幸社長が描く「未来図」とは
――プリントボリュームの縮小が見込まれています。今後の複合機事業の見通しについて教えてください。
次ページでは、複合機需要の減少を想定した「オフィス事業の未来図」を語る。大幸利充社長が業界再編をにおわせていることにも注目だ。A3レーザー複合機で世界3位のコニカミノルタは、どんな戦略を描いているのだろうか。