複合機 “ドル箱”崩壊#3Photo:Surasak Suwanmake/gettyimages

一昨年、米ゼロックス・ホールディングスとたもとを分かった富士フイルムホールディングス(HD)。知名度の高い「ゼロックスブランド」を失ったダメージは大きいはずだが、目下のところ業績は絶好調だ。特集『複合機 “ドル箱”崩壊』(全7回)の#3では、ゼロックスの“呪縛”から解き放たれた富士フイルムHDの快進撃の真価に迫る。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

「ゼロックスブランド」喪失でも
複合機事業は絶好調

 2021年4月、複合機メーカー大手の富士ゼロックスは、「富士フイルムビジネスイノベーション」として新たなスタートを切った。親会社の富士フイルムホールディングス(HD)が米ゼロックス・ホールディングスとの統合を断念し、富士ゼロックスの完全子会社化に踏み切ったためだ。

 これにより富士フイルムHDは「ゼロックスブランド」を失い、複合機のロゴも「富士フイルム」に置き換わることになった。

 知名度が高く顧客からの評判も良かった「ゼロックスブランド」を失うのは痛手で、業績に与える影響も大きいのでは――。そんな下馬評をよそに、“新生”富士ゼロックスこと富士フイルムビジネスイノベーションは業績好調であり、さらなる成長を目指して着々と手を打っている。

 次ページでは、ゼロックスの“呪縛”から解き放たれた富士フイルムHDの快進撃の真価に迫るとともに、成長を阻害しかねない「重大課題」を明らかにする。