大手日系メーカーにとって長らく「ドル箱」だった複合機事業に崩壊の時が近づいている。ペーパーレス化の浸透で需要減退は避けられない上、地政学リスクが影を落としつつあるのだ。特集『複合機“ドル箱”崩壊』(全7回)では、リコー、キヤノン、富士フイルムホールディングスといった日系大手メーカーが占有し続けてきた複合機市場の“異常性”を明らかにするとともに、生き残りを懸けた各社の戦いを追う。2月27日(月)スタート、全7回連載。
#1 2月27日(月)配信
キヤノン、富士フイルム…複合機業界「再編予想図」を大予測!米ゼロックスの買い手は?
リコー、キヤノン、富士フイルムホールディングスと名だたる日系企業が連なる複合機業界。ところが、オフィス需要が減退する中で市場の縮小は避けられそうになく、遠からず業界再編が行われることは必至な情勢だ。ダイヤモンド編集部では、業界関係者への取材や各社の複合機事業への依存度などを基に「複合機業界の再編シナリオ」を策定した。業績不振の米ゼロックス・ホールディングスの“買い手”や日系メーカーによる合従連衡の模様を大胆に予測する。
#2 2月28日(火)配信
キヤノン、リコー…「日系企業で世界シェア9割」複合機市場が喪失危機!業績絶好調の落とし穴
世界の複合機市場はシェア9割を日系メーカーが握り、国内製造業の“ラストリゾート”ともいえる。業界をけん引する日系各社は、コロナ禍がいまだ収束しない中でも業績好調で、工場はフル稼働状態にあるという。この市場の特異性を明らかにするとともに、“好調”をうたう各社を待ち受ける「落とし穴」の正体に迫る。
#3 3月1日(水)配信
富士フイルム「脱ゼロックス戦略」の全貌、巨人の呪縛から解放され欧米複合機市場を快進撃
一昨年、米ゼロックス・ホールディングスとたもとを分かつことになった富士フイルムホールディングス。知名度の高い「ゼロックス」ブランドを失ったダメージは大きいはずだが、目下のところ業績は絶好調だ。ゼロックスの“呪縛”から解き放たれた富士フイルムの快進撃の真価に迫る。
#4 3月2日(木)配信
富士フイルムvsキヤノン「多角化進捗度」対決!複合機事業が沈んでも勝ち残るのは?
富士フイルムホールディングスとキヤノンは、長らく複合機市場でしのぎを削ってきた宿命のライバルだ。複合機市場の先細りが懸念される中、新たな収益の柱を構築できているのはどちらの企業なのか。「事業の多角化進捗度」対決で判定した。
#5 3月3日(金)配信
日本のお家芸・複合機に迫る「中国3大リスク」、中国が狙う“技術奪取で国産化”計画の全貌
米中対立が激しさを増す中、ついに中国が日本の“お家芸”である複合機に照準を定めた。まずは政府調達から日系企業を締め出すことで揺さぶりをかけ、結果的に日本が中国へ複合機技術を供与するよう促しているのだ。日系メーカーが抱える「中国三大リスク」を分かりやすく解説するとともに、各社の“脱・中国依存”戦略に迫る。
#6 3月7日(火)配信
リコーの「企業大量買収劇」が物語るトップ交代の裏事情、新社長提唱“首位固め戦略”の要諦
今年1月、複合機業界首位のリコーが社長交代を発表した。新社長に就任する大山晃氏は、現社長の山下良則氏が進めてきたデジタルサービス路線の“継承と加速”を標榜している。ここ数年で積み重ねた「大量の企業買収劇」に焦点を当てて、リコー新社長が担う首位固め戦略を明らかにする。
#7 3月8日(水)配信
「複合機はもう伸びない」コニカミノルタ社長が明かす赤字脱却とオフィス事業の未来図
複合機大手のコニカミノルタは、23年3月期に3期ぶりの黒字を計上する見通しだ。コニカミノルタの大幸利充社長が、赤字脱却までの苦労を語るとともに、先細りが見えている複合機事業の将来像を明らかにする。
Key Visual:SHIKI DESIGN OFFICE, Kanako Onda
【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。
8段落目:「22年3月期」→「23年3月期」
(2023年3月3日●:● ダイヤモンド編集部)