桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮されたロングセラー『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

女の子の学力の伸ばし方Photo: Adobe Stock

女の子は「目標達成」がご褒美となる

 子どもでなくとも大人でも、人がある行動を継続して行うためには、その行動に対するご褒美が必要です。

 子どもに勉強を続けてもらいたかったら、適宜ご褒美を考えなくてはなりませんが、女の子の場合、なかなか難しいのです。

 単純な男の子の場合は、安い駄菓子だろうとオマケのボールペンだろうとご褒美をもらったということでモチベーションはアップします。

 男の子はいくつになっても、くだらないオモチャやガラクタが好きです。

 対して、女の子は12歳くらいからオモチャに対する興味を失っていくといわれており、「モノ」では簡単には喜びません。

 大人の女性が、プレゼントしてもらったブランドもののバッグを売ってしまうのと同じように、よほど自分好みのもの、ほしいと思っているものでなければ、もらっても女の子にとっては迷惑なだけ。

 安いシャープペンシルなどゴミ箱に直行となるかもしれません。

 実は、女の子にとっては「ミッションをコンプリートした」という達成感そのものが大きなご褒美となります。

 大人の女性でも、たくさんの家事を片づけなければならないようなときに、細かくあれこれ計画を立て、そのとおりにできると「よし、終わった!」という達成感が得られるのではないでしょうか。

 そして、それが毎日の家事を片づけるモチベーションの1つにもなっているはずです。

「家事を手伝え」と夫に言っておきながら、自分の考えている流れと違うとむっとした気分になるのも、ある種の達成感を邪魔されるからだと私は考えています。

 子どもも同じです。

 女の子のモチベーションをアップしたいと考えるなら、トンチンカンなものを与えるのではなく、計画したことを自分がちゃんとできたと認識させてあげましょう。

 そのときに、可視化して明確に認識させると同時に、親も一緒に喜んであげてください。女の子が頑張る理由は、自分のためだけではないのですから。