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行列ができる店や、芸能人のサインがたくさん並んでいる店を見て「人気店なのかな?」「食べてみようかな」と列に並んだことはありませんか。これは「社会的証明の原理」という心理法則によるもので、これを応用すると、会議や商談を非常に有利に進めることができます。会議で自分の提案を通したり、商談で特定の相手を口説き落とすのには特に有効です。書籍『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』の著者が、そのテクニックを紹介します。(教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

行列ができる店は、なぜ「おいしいのかな?」と
気になってしまうのか

 街を歩いていたら、見知らぬラーメン屋さんなどの前に行列ができているのに気がついた。それを見て、「人気店なのかな?」と気になり、「何がオススメなのかな」「食べてみようかな」などと前向きな興味を抱いてしまったことはありませんか?

 この心理は「他の人が行列に並んでまで食べたいと思っているということは、おいしいに違いない」という期待から生じるものです。行列以外にも、店頭や店内に飾ってある著名人たちのサインにも同様の効果があります。「有名人がこんなたくさん訪れたお店だったら、味に間違いはないはず」、そう思ってしまうのです。

 店の前にできている「行列」や「サインを並べる」行動は、店側からお客さんに向けられた交渉の一種と捉えることができます。そしてそれを目にした客側は、期待と興味を駆り立てられてしまう……かなり有効な手法といえます。そしてこの手法は、私たちが通常の会議や商談、打ち合わせで賛同者を増やしたいときに応用することができるのです。