<聴覚情報>

 聴覚においては、採用側が演出する声のトーン、また応募者側の声のトーンから情報が得られる。

 声のトーンは高い人から低い人までぞれぞれだが、着目すべきは声のトーンの変化である。

 例えば、高いトーンであれば「優しい」「情熱的」、低いトーンであれば「威厳」「落ち着き」の印象があるが、採用側は候補者に応じて声のトーンを操作すればよい。

 採用側は、情熱を伝えたいのであれば高めのトーンで相手に伝える。また、自社の将来性に不安を感じている応募者に対しては、低めのトーンで話すことで、安心感と威厳の印象を与えるといった具合だ。

 次に、応募者の発する声のトーンから、どのような感情が読み取れるか見てみよう。

(1)声が高く、早口、声が小さい
 緊張している

(2)声が高く、上ずっている
 おびえている、自信がない、予想外の対応に迫られている

(3)声が高く、早口、聞き取りにくい
 ごまかしている、取り繕っている

(4)声が低い、口数が減る、相づちが減る
 疑っている、納得していない、やりたくないことがある

 このように、応募者が発する声のトーンが本来のトーンから変化した場合は、感情や思考に動きが出ていることが多い。