「曲がった枝を真っすぐにしてください」
中小企業経営者から、そういうご依頼を受けることがあります。空前の売り手市場が続く就職戦線ですが、慢性的な人手不足に悩まされている中小企業経営者は、新卒を採用して育てるよりも、即戦力となる人材を欲しがります。ところが焦ったあげく、働く姿勢に問題のある人をつかんでしまい、「曲がった枝」をなんとかしたいと考えるのです。
私がそうしたご依頼をされたら「曲がった枝を真っすぐにするのはとても難しい。真っすぐな枝を採り直した方がいいのではないですか」と答えるようにしています。これは新卒採用でも同じです。
なぜわざわざ曲がった枝を選んでしまうのか。それは才能や即戦力の部分しか見ず、この人を採用したらそれなりに稼いでくれるのではないかと欲を出すからです。もちろん能力のある真っすぐな枝もあるのですが、そういう人材は他社との競争になってしまい、給与面でも簡単には採用ができません。
いい人材を見極めるために
注目すべき3つのポイントとは
小宮コンサルタンツ代表
では、いい人材を採るためには、面接で応募者のどこを見ればいいのでしょうか。
「素直」なことがまず重要です。素直でない人は伸びませんし、上司の指示にも従いません。素直さを確かめるには、こちらからの質問に反論せず、きちんと答えるかどうかで判断します。過去の経歴などで、少し踏み込んだ、場合によっては少し意地悪な質問をして、どういう反応をするかを確認するのも1つの手です。
「熱意」を持っているかどうかも大きなポイントになります。熱意は話し方や態度だけではなく、履歴書からも伝わってきます。志望動機や趣味・特技、本人希望欄がほとんど真っ白という履歴書からは熱意を感じ取ることができません。