米シリコンバレー銀行(SVB)は、大手会計事務所KPMGが監査で「お墨付き」を与えてからわずか14日後に経営破綻した。KPMGが同じく監査を担当した米シグネチャー銀行の場合は、11日後の破綻だった。KPMGが両行の財務について把握していた状況や見逃した点などについて、米規制当局や株主が問題視する可能性がある。KPMGは2月24日、SVBを傘下に擁する金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループを対象とした監査報告書に署名した。SVBは3月10日に破綻。預金引き出しの急増によりSVBが現金不足に陥る恐れが高まったことを受け、米連邦預金保険公社(FDIC)が同日に管理下に置いた。SVBとシグネチャーが抱えていた問題をKPMGが見落としたかどうかを判断する上で重要な手掛かりとなるのは、取り付け騒ぎが本格化した時期と、両行の経営陣とKPMGの監査担当者が危機を認識した時期という二つのタイミングだ。