誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】死ぬまでハッピーな自分をつくる方法Photo: Adobe Stock

アナタの人生のピークはいつだった?

アナタの人生のピークはいつ(だった)でしょうか? 10代と答える人もいれば、40代と答える人もいるでしょうし、80代・90代にしてピークを更新し続けているという人もいるかもしれません。

これは個人の意識の問題ですから、さまざまですが、多くの人は年齢を重ねるとともに、“ピークは過去”になりがちです。一般的には、どんなに優秀な人でも、その優秀さが永遠に続くことはありません。どこかの時点でピークを迎えて、そのピークを過ぎると下り坂に入るわけです。

下りならではの味わいもある

だからといって、悲観的になる必要はありません。以前の自分と比較して苦しむ人もいますけれど、ピークを過ぎ去った自分を認めつつ、積極的に味わえばいいと思うし、できることなのです。

山を登れば、いずれ頂上にたどり着きます。頂上にたどりついたら、もう楽しくないかといったら、そういうわけでもありません。山を下っていくことも味わえるわけです。登り坂とは違う下り坂ならではの景色も味わえますし、下りながら登りの道中を振り返ることも味わえます。

自分にとってふさわしい山を登る

そう考えるとピークを越えて下り坂に入ったとしても、否定的になったり悔しがったり、あがいたりしなくてもいいんじゃないかと思えてくるはずです。現在のポジション、現在の高さにふさわしい味わい方をすればいいし、それはできることだと思うのです。

そもそも山は1つではありません。また違う山にチャレンジすることも十分に可能です。若い頃のように高い山を登るのは難しくても、年齢相応に登れる低い山だってたくさんあります。以前登った山ほど高くないかもしれないけれど、ピークを迎えられるという意味では、違いがありません。

移ろいゆく自分を慈しむ

年齢を重ねることによる心身の衰えは、いずれ誰もが味わうことですが、それ相応に味わっていけばいいわけです。春には春のよさ、夏には夏のよさ、秋には秋のよさがあるように、寒々しい冬にも、よさがもちろんあります。

「侘び寂び(わびさび)」の微妙な美意識や感覚は人によって異なりますが、生まれてから死ぬまで、移ろいゆく自分を慈しむ感覚は奥深いものです。人生のちょっとした寂しい部分は、悲観的になるより積極的に味わいましょう。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。