人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。悩みを抱えていないリーダーなどいないだろう。
そこで参考になるのが、リーダーシップの世界的権威で、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏の『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。優れたリーダーになるための「21の原則」を明かした本書より、高学歴なのに「仕事ができない人」に共通する“ざんねんな特徴”ワースト1を解説する。(構成/根本隼)
高学歴でも「仕事ができない人」には“情熱”が欠けている
すぐれたリーダーの人生を調べると、常識的な型にはまらない人たちが多い。たとえば、『フォーチュン』誌のトップ500社のCEOの過半数が、大学の平均評定値で見ると「C」または「Cマイナス」だった。
また、アメリカ歴代大統領の学生時代の成績は、ほぼ4人に3人が平均点以下という結果だった。さらに、億万長者の起業家たちの過半数は大学を卒業していない。
一見したところ平凡に見える人たちが、偉大な業績をあげる要因は何か。その答えは情熱である。リーダーの人生において、情熱に取って代わるものはない。
目標を成し遂げる人は「大きな願望」を持っている
願望は運命を決定する。偉大なリーダーたちを思い浮かべてみよう。彼らの情熱には驚かされるはずだ。人権のために闘ったガンジー、平等のために闘ったキング牧師、技術のために闘ったビル・ゲイツ。
非凡な人生を送る人は誰でも、偉大な願望を持っている。このことはどの分野にも当てはまる。
弱い願望は弱い結果しかもたらさない。弱い炎が少しの熱しか発散しないのと同じだ。あなたの内面の炎が強ければ強いほど、願望は大きくなり、潜在能力はますます発揮される。
情熱はあなたの人生の特徴の1つになっているだろうか。毎朝、「よし、今日もまた情熱を持って仕事をするぞ」という気持ちで目覚めているだろうか。それとも、夢遊病者のように日々の決まり切った仕事を片づけるだけで毎日を過ごしているのだろうか。
情熱の火を灯すためにできる「2つのこと」
●初心に戻る
多くの人は人生のさまざまなことに振り回されて軌道から外れている。就職したころ、あるいはさらに子ども時代にまでさかのぼって考えてみよう。
あなたは何に情熱を燃やしただろうか。数時間も数日間も費やすことができる活動とは何だっただろうか。昔の情熱を取り戻そう。そして、大好きだったことと比べて、今の仕事と人生を評価しよう。
●情熱的な人びとと友だちになる
「類は友を呼ぶ」ということわざは間違いではない。実際、似た者同士がいっしょになってグループを作っている。自分の魂の中の火が消えたら、火を灯してくれる人びとのまわりに行こう。
情熱は人から人へと伝染する。情熱を与えてくれる人びとと付き合う時間をスケジュールに組み込もう。
(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)