「外部の人の意見も聞こう」で行き詰まる根本的な5つの理由写真はイメージです Photo:PIXTA

外部者の指摘はほとんどが的外れ

 企業など組織や領域の外部者が、その内部について語る場合、内部に人から強烈な否定的感情をぶつけられたり、完全無視されたりすることがある。そして「素人は黙っていろ!」という強烈な圧力を受け、やがて内部のことについては当たり障りのないことしか語らなくなってしまう。

 そうすると外部の人に話を聞く意味がなくなってしまう。物事は平和に進むかもしれないが、変革の機会も失われ、いつもの予定調和で終わってしまう。本来は、外部の意見をもっと有効に取り入れ、活用していきたい。では、なぜ、外部の意見をうまく取り入れることができないのだろうか。

 そこで、外部者が何かを語る場合に、なぜ内部者側に否定的な感情が起こるのか、なぜ無視してしまいたくなるのか考えてみたいと思う。

 外部者の話は内部者から見ると、だいたい以下の5つとして認識される。

(1) 大事な前提条件を見誤っている
(2) 中身が陳腐である
(3) 論理的にはあり得るが、現実的には不可能(だと皆が思っている)である
(4) 妥協案を蒸し返す
(5) 内容は良くても、内部者の顔をつぶす

 なぜ外部と内部でこういったチグハグな状況が起きるのか、以上の5つについて詳しく解説していこう。