3回目の核実験に込められた
4つのメッセージ

 ミサイル実験に続く北朝鮮の3回目の核実験により、朝鮮半島情勢は著しく緊迫化していくのは避けられず、細心の注意が必要である。

 今後、国際社会は安保理決議に繰り返し違反する北朝鮮に対して強い措置を取ることとなるのだろうが、具体的にどのような展開が予想されるのであろうか。そして日本はどのような考えで行動していくべきなのか。

 まず、北朝鮮は今回の核実験を強行することで、どのようなメッセージを送ることを意図したのか考えてみよう。

 第一に、北朝鮮は核弾頭の小型化に成功し、米国本土を射程に収めるミサイルで米国を狙えるという印象を与えたかったのだろう。果たして、北朝鮮の核ミサイル開発がそのレベルに達しているかどうかは検証の術はないが、そのような印象を与えることには成功したようである。オバマ大統領も、今回の実験は米国自身への安全保障上の脅威となっていると声明で述べている。

 第二に、北朝鮮は核兵器国であるということを既成事実化したかったのであろう。ここに至るまで米国などに対し、接触の機会ごとに「北朝鮮を核兵器国として認めよ」という要求をしてきた。

 北朝鮮にしてみれば、インドやパキスタンのように事実上の核兵器国として抑止力を持ち、かつ国際社会から援助を受けうるような地位が最も好ましいと考えているのであろう。

 しかし、北朝鮮を核兵器国と認知することは絶対に避けなければならない。国際法規に違反してきた北朝鮮の核開発を認めれば、核不拡散体制に大きな穴を開けることになる。また、もし事実上の核兵器国として認めれば、朝鮮半島の非核化は実現しないことを認めるに等しい。