誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy「精神科医Tomyきょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
諦めるといい?
物事に執着すると辛くなります。逆に執着心を手放すと楽になります。これは意図的に諦める機会を増やすといいともいえます。
そうはいっても、物事はそんなに単純じゃありません。執着心には感情がともないますから、なかなか諦めきれないことがあると思います。
つまり、本当は諦めたくないけれど、諦めたい。そういう相矛盾した感情に、どう向き合えばいいのかということです。
シミュレーションの効果
もし諦めたとしたら、どういうふうに心を持っていくかっていうことを、まずは頭の中でシミュレートしてみるといいです。
そうすると、いろいろと心の準備が進みますから、おのずと気持ちが落ち着いてくるときが訪れるはずです。
感情をおさめるため、まずは理屈のうえで諦めたらどうなるかを想像してみるのです。するとその過程で、不安や落ち着きのなさが、だんだん取り払われてきます。
選択肢を増やしておく
そうしたら、いったんそのへんで止めてください。そして、本格的に気持ちが追いついてきたら、シミュレートしたことをそのまま実行すればいいだけです。
諦めるといっても、実行してみないとわからないこと、気持ちが変わることがあるかもしれません。
そんなときでも事前にシミュレートしておけば、考え方の選択肢が増える分、柔軟に対処できるはずです。
どういうふうに考え、行動するか
実行してみて思いついたことがあれば、それも選択肢に入れればいいのです。
要するに、まだ感情の準備が整わず諦められないうちに、「諦めたとしたらどういうふうに考えるだろう、どういうふうに行動を変えるだろう」ということを、頭の中で諦めたつもりになって考えておくことが、とても有効な対処法になります。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。