誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】心を苦しめる「執着心」の最もシンプルな解決法Photo: Adobe Stock

諦めるといい?

物事に執着すると辛くなります。逆に執着心を手放すと楽になります。これは意図的に諦める機会を増やすといいともいえます。

そうはいっても、物事はそんなに単純じゃありません。執着心には感情がともないますから、なかなか諦めきれないことがあると思います。

つまり、本当は諦めたくないけれど、諦めたい。そういう相矛盾した感情に、どう向き合えばいいのかということです。

シミュレーションの効果

もし諦めたとしたら、どういうふうに心を持っていくかっていうことを、まずは頭の中でシミュレートしてみるといいです。

そうすると、いろいろと心の準備が進みますから、おのずと気持ちが落ち着いてくるときが訪れるはずです。

感情をおさめるため、まずは理屈のうえで諦めたらどうなるかを想像してみるのです。するとその過程で、不安や落ち着きのなさが、だんだん取り払われてきます。

選択肢を増やしておく

そうしたら、いったんそのへんで止めてください。そして、本格的に気持ちが追いついてきたら、シミュレートしたことをそのまま実行すればいいだけです。

諦めるといっても、実行してみないとわからないこと、気持ちが変わることがあるかもしれません。

そんなときでも事前にシミュレートしておけば、考え方の選択肢が増える分、柔軟に対処できるはずです。

どういうふうに考え、行動するか

実行してみて思いついたことがあれば、それも選択肢に入れればいいのです。

要するに、まだ感情の準備が整わず諦められないうちに、「諦めたとしたらどういうふうに考えるだろう、どういうふうに行動を変えるだろう」ということを、頭の中で諦めたつもりになって考えておくことが、とても有効な対処法になります。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。