相場経験の長いみずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは、株式投資において「その時々のはやり物に飛び付くのは避けた方がよいだろう」と指南する。

 例えば、それに該当しそうなテーマの一つが「宇宙」だ。4月上旬には月面着陸を目指す宇宙開発スタートアップのispaceが上場したが、民間初を目指して同下旬に挑んだ月面着陸船の月への着陸が失敗したこともあり、上場後の株価は芳しくない。米国の宇宙ベンチャーなどを含め、国内外で宇宙関連の多くの銘柄で株価が苦戦の様相を呈しているのだ。

 それぞれ夢のある意義深い事業を手掛けているのは間違いないが、投資家として手金を投じ、相応のリターンを得たければ、長期的に成長が見込めそうな勝ち馬に乗る方が賢明なのは言うまでもない。

時流に乗った“人気株”でも
その中で二極化は必至

 話題の「ChatGPT」で赤丸上昇中のAIについても、関連株だからとすぐさま投資を考えるのは危うい。時流のテーマに乗った“人気株”の中でも、各社の実力によって明暗が生じるのは必至であるからだ。

 何しろ、一時の“期待感”だけで株高をつなぎ留めるには限界があり、収益力の多寡など銘柄ごとの真贋を見極める必要があるのだ。

 そこで本特集では、市場でこのところ特に注目度の高い15テーマに焦点を当て、延べ330銘柄を大分析した。