トヨタ新体制始動直後に
ダイハツの不正が発覚
今年のゴールデンウイークに入る直前の4月28日、トヨタグループのダイハツ工業が海外向け車両の側面衝突時の安全性を確認する試験の認証手続きで不正があったと発表した。同日に奥平総一郎社長が謝罪会見するとともに、親会社のトヨタ自動車も豊田章男会長と佐藤恒治社長がオウンドメディアのトヨタイムズで緊急会見を行った。
ダイハツの安全認証不正の対象が東南アジア主体の新興国向け生産車で、その9割近くがトヨタブランドで販売されるいわゆるOEM(相手先ブランドによる生産)車だったのだ。
トヨタの豊田章男会長は「今回は『トヨタブランド』の車で発生した問題なので、ダイハツだけでなくトヨタの問題でもある」と述べ、佐藤社長とともにオンライン配信会見を行ったと説明。また「トヨタの社長に就任し09年の大規模リコール問題以来、『もっといいクルマをつくろうよ。トヨタらしさを取り戻そう』と言い続けてきたが、グループ全体の個社の社内風土を変えるまでに至らなかった」とし、「グループ全体の問題として私が主担当として取り組む」ことを強調した。
さらに、豊田章男会長は8日、このダイハツ認証不正対象車の主要生産拠点であるタイで「顧客の信頼を裏切る絶対に起きてはならない行為だ。地道な努力以外に信頼回復の道はない」と、改めて謝罪する会見を行った。佐藤氏が社長として初めて臨んだ10日の決算会見では、冒頭にダイハツ認証不正について「当該車両の安全を確認した」と述べるとともに改めて謝罪するなど、重ねて環境改善に向けた姿勢を示した。