上手くいかなかったという気持ちも、後で繋がっていく
芝山 フワちゃんとコンビ解散した時にもう終わりだって思って、僕たちが絡むことっていうのはもうないんだと思ってたんですけど、お互い違うところで、自分たちのそれぞれのやりたいことをやっていくと交わることがあるんやなと。僕が本を出した時に、フワちゃんは僕のYouTubeにゲストで出てくれて。なんか恩を感じてくれてるみたいなんすよね。僕もすごい感謝してます。
阿部 うまくいかない悔しさも、もどかしさも、後に繋がっていくっていうことですね。
芝山 そうですね、この2人でやってきたことって意味あったんやなって。フワちゃんはフワちゃんで意味があることにしたし、僕は僕で意味があることにしたから、そうすると、接点みたいなところが出てきて、なんかもっとフワちゃんと交わるところを作るためにも頑張らなあかんなって思いましたね。
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年には、それぞれ別のコンビでキングオブコント準決勝進出。2015年にはフワちゃんと「SF世紀宇宙の子」を結成。同コンビを解散後は、ネタ作家に転身。賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。発売即重版となった初の著書『おもろい話し方』が絶賛発売中。
阿部 過去の悔しさで言うと、コピーライターの駆け出しの頃、一生懸命頑張っていたんですけどなかなか芽が出ることがなくて、コピーライター養成講座の後にみんなで飲みに行くんですけど、講座の同期に「大手にいるのにたいしたことないね」と言われてしまって、その時、実際結果を出せてなかったし、何も言い返せなかったし、悔しかったですね。
芝山 阿部さんの周り結構やばいやつ多くないすか(笑)
阿部 お酒の勢いもあったんでしょうね。でも過去って、いろんなことを言われて悔しがったり、ムカついたり、腹立ったりとか、本当にふざけんなよって思うこともあるんですけど、不思議なもので、自分が続けてる中で、伏線を回収できるような瞬間はいつか来るんです。深くグサっとくることにもなんかの意味があると思うスタンスを取ると、ちょっとその傷が塞がりやすくなる。だから、強い言葉を食らってしまった時も長い時間で捉えるようにします。その言葉がいい意味を持つ日が来るという思いがあります。