ゴールデンウィークも終わり、「5月病」に悩まされる人もちらほらいるのではないだろうか。学生であれば入学式、社会人であれば仕事の異動や転勤、様々な変化があっただろう。希望通りの進路に就けた人もいれば、思わぬ結果になって新たなはじまりを迎えた人もいるだろう。
この春、「選ばれなかった」ことをテーマにした書籍『あの日、選ばれなかった君へ 新しい自分に生まれ変わるための7枚のメモ』(阿部広太郎)が刊行された。4月25日に青山ブックセンター本店で行われた阿部広太郎氏と芝山大補氏のトークイベントから、一部を再構成してお届けする。
恥ずかしさと向き合って、一皮剥けた
芝山大補(以下、芝山) 『あの日、選ばれなかった君へ』が出たことですごい阿部さん自身も成長してる気がするんですよ。
阿部広太郎(以下、阿部) 自分でもそう思います。一皮剥けるって言うじゃないですか。皮が剥けるというのは、恥ずかしさと向き合うことなのかなと思ったんです。照れとか、恥ずかしさに向き合うことによって、自分の思い込みによる制限を超えられるなと思いました。
芝山 僕は作家としての活動を始めて、あるコンビからネタ相談を受けてほぼ無償でネタ作りに協力してたんですけど、突如そのコンビとの関係が疎遠になるんですよね。その時に、いつの間にか「その芸人さんにいつか引っ張ってもらえるはず」っていう甘い希望を軸に生きてたことに気がついたんですよ。だから、他人任せじゃなくて自分の力で生きていく道を探さないとって。それで、いま一度自分にできることってなんやろ?って考えた時に、TikTokを頑張る、YouTubeをやるとか、残されてる道はいくつかあったんです。じゃあ、これを本気で頑張るしかないなと。別にゴールも設定してない。でも、人を面白くするための活動をただひたすらやっていこうって。それがいつか何かにつながるハズだと。そうしたら、ダイヤモンド社の人がそのTikTokを見てくれて、そこから本の出版に繋がったんです。ああ、捨てる神あれば拾う神ありやなと。
阿部 芝山さんがTikTokで発信をはじめた時、振り切ったなと感じました。
芝山 TikTokに自分が出て、笑いの型を発信する。動画の掴みを用意して、なんとか見てもらうように頑張っていって、ありがたいことにフォロワーが増えてきまして…。まあ、アンチコメも来ますけどね(笑)。
阿部 自分の選択した道を自分で正解にしようとしてきて、今があるんだなと。すこし話は変わるんですが、「居場所は安心と刺激の塩梅が重要」という話をさせてください。ただ安心していられる場所だけじゃなくて、刺激がそこにないと、実は長続きしないんじゃないかと風に思っていて、1歩踏み出した時はドキドキでも、だんだん心地良さが生まれて、でもまたそこに刺激がないと、長続きしないなと。やっぱり安心と刺激を、自分が作る居場所では、大事にしたいなと思います。
芝山 刺激って確かに必要やなと思いますね。うん、うん。なんかそういう刺激が適度にあるから続けられているんだろうし。僕、メールマガジンの配信を週2回やってるんですけど、ほんまはもう週2回できるわけないやろって言いたい。でも、それを設定したのは自分なんすよね。
阿部 自分の約束したことを果たせるかどうか、それも刺激のつくり方ですね。