2.努力とは、才能でなく、環境に依存する

「努力が出来るのも“才能”」と言う人がいるが、努力できる人たちは「才能」といった目に見えないものを当てにしない。代わりに、目に見える「環境」を何とかして努力ができるようにしてしまう。

 勉強しやすい環境、継続しやすい環境、心地よい環境を自ら作り出す。

 頭のいい経営者は、社員に努力させようとするのではなく、努力できる環境を整えようとするのだ。

 では、環境を整えれば誰でも、努力でき、結果がでるのだろうか?

3.努力とは、結果でなく、過程である

 努力できる人たちは、結果よりも過程を重視する。「どうせ勝てないからやらない」「今から一流になるのは難しいからやらない」とは言わない。

「勝てるようになるかどうかは分からないが、そこに至るまでの過程が大事」あるいは、「一流を目指す姿勢が重要」と考える。

4.努力とは、楽しむものではなく、単なる習慣である

 努力をし続けている人たちに聞くと、ほぼ例外なく「キツくて嫌になる」と述べる。「では、なぜ続けているのですか?」と彼らに聞くと、彼らは決まって「習慣だから、やらないと気持ちが悪い」と言う。

 努力をし続けている大半の人は楽しんでいるわけではなく、いつものことをしているだけである。

5.努力とは、達成感ではなく、学習感である

 達成感を味わうために努力している、という方も中にはいるが、実際にそれよりはるかに多い人が感じているのは、「今日はこれを学んだ」という学習感である。

 大抵の場合、努力は成果と直接には結びつかないため達成感は味わいにくい。

 むしろ自分の中に何が得られたのかを重視するほうが、努力するにあたっては有益なのだ。

6.努力とは、信仰である

 努力をしたほうが良いかどうかは、本質的には誰にもわからない。報われる保証もないし、結果がでるという客観的な証明もできない。

 だが、「努力をする人」は、「努力をすることの価値」を信じている。それは一種の信仰であり、証明を必要としないものである。

安達裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、給料が少し高いという理由でデロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が“本質的でためになる”と話題になり、今では累計1億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに。Twitter:@Books_Apps