TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授! ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!

※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【医師が教える】お粥やうどんは、あっさりして消化に良い?…知らないと怖い“食べ物の真実”Photo: Adobe Stock

カゼを引いたらお粥やうどん?

【前回】からの続き カゼを引いてしまったときには、お粥(かゆ)やうどんのように水分たっぷりで消化しやすく、体をポカポカと温めてくれる食べ物を口にするといいとされています。

同じような効果を求めて、「スポーツドリンクを温めて飲みなさい」とすすめる医師もいます。

お粥、うどん、スポーヅドリンクは、いずれも糖質をたくさん含んでいます。お粥やうどんに含まれる糖質はでんぷんであり、スポーツドリンクに含まれているのは砂糖、果糖ブドウ糖液糖などです。

お粥やうどんは消化しやすい?

そもそもカゼを引いたら、本書で紹介している糖質制限を中断したほうがいいのでしょうか? いいえ、そんなことはありません

カゼによる下痢や発汗をともなうと脱水しやすいため、お粥やうどん、スポーツドリンクのように、水分と塩分を含むものを摂るという点は理にかなっています。

しかし、スポーツドリンクはともかく、お粥やうどんが「消化しやすい」という根拠はありません

お粥やうどんを食べるとどうなるか?

お粥やうどんなどの糖質を咀嚼(そしゃく)すると、唾液(だえき)に含まれるアミラーゼという消化酵素がでんぷんを加水分解します。

食べ物をロクに噛まずに飲み込む人は多いですし、お粥やうどんではその傾向が顕著です。すると、あまり分解されないままの糖質が胃へ流れ込みます。

胃のなかでは大量の胃液が分泌され、撹拌(かくはん)運動により食べ物と胃液が混ざります。

このドロドロの粥状のものを胃で貯留し、蠕動(ぜんどう)運動(撹拌・粉砕<ふんさい>・移送)によって、少しずつゆっくりと小腸(十二指腸)へ送り出します。

お粥やうどんが消化に良い
は“思い込み”だった

胃から十二指腸へのたんぱく質や脂質の移送は、糖質よりも速そうです。少しずつゆっくりと小腸(十二指腸)へ送り出します。

私の盟友である夏井睦医師によると、二日酔いなどの体調不良で担ぎ込まれた患者さんの胃を内視鏡で調べると、残っているのは米や麺類などの糖質でした。

お粥やうどんが消化しやすいというのは、「あっさりしているから消化も早く進むに違いない」という“思い込み”でしかないのです。

※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。