脱炭素化で電力と自動車
世界の流れに“逆行”
成立した「GX推進法」の下で「2030年温室効果ガス46%削減」目標が実現できるのかどうかは、はっきり見えない。
それどころか脱炭素化競争で世界に勝てない可能性がある。
産業の中核である電力ではアンモニア混焼による石炭火力の存続に固執し、自動車ではEV(電気自動車)導入の数値目標明記に抵抗するなど、日本だけが欧米など世界の流れとは違う姿勢を続けているからだ。
脱炭素化の大波が迫る中、激変に対して一見、日本の産業を保護し、競争力を保つ方途に見えるが、むしろ日本の産業の将来にとってかえって衰退につながる。
日本経済全体を地盤沈下させかねない極めてリスクの高い選択肢だ。