『DX白書2023』を確認
最新技術のDXへの活用は?
最新技術はどの程度、DXに活用されているのか。「第3次ブーム」が到来したと言われるAIと、IoT・デジタルツイン(現実の建造物などを仮想空間に再現する技術)について、DX白書2023に導入・活用状況のレポートがあるので確認してみよう。
まずAI導入の現状について。DX白書2023によれば日本のAI導入率は22.2%で、米国の40.4%との差はまだ大きい。さらに、AIの導入目的には大きな違いがある。米国では「集客効果の向上」「新製品の創出」「新サービスの創出」の割合が高いのに対し、日本では「生産性向上」「ヒューマンエラーの低減、撲滅」「品質向上」の割合が高い。顧客価値の向上など、DXを目的としたAI活用が進む米国に対し、日本では効率化を主眼としたデジタライゼーションの域にとどまっているのが現状だ。
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AI導入において、日本では導入・運用費用のほか、AIへの理解が自社で不足していることや、AI人材の不足、導入事例の不足、導入効果への不安が課題として大きいようだ。
IoT技術についても、導入が進む米国(48.4%)に比べて日本(23.3%)は取り組みに遅れが見られる。デジタルツインの構築・活用については、そもそも「構築・活用していない」という回答が日本では58.0%と高く、さまざまな領域で活用が進みつつある米国との差が大きい。
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IoT導入においても、予算不足、IoTに関する自社の理解不足、人材不足などが日本企業における課題として挙げられている。