こういう物好きな(?)世界は、ごく一部のひとたちにお任せすればいいのです。

 日常を悩むことなく生きたいだけなら、過度に禁欲する必要はありません。

 楽しいことは楽しんで、つらい悩みだけ上手にお片づけできれば、ハッピーに過ごせます。

 欲求は「ほどほどに」、そして悩みをもたらす反応だけ減らすことをめざしましょう。減らすには、次の三つを心がけます――。

〈ステップ2〉刺激を止める──近づかない

 心は刺激に触れると、すぐ反応してしまいます。そして結生(強い反応がなんらかの思いにつながって続くこと)して、イライラ、モヤモヤ状態に突入して、あっという間に悩みを作り出します。

 だからできれば、最初から刺激を受けないことです。「君子、危うきに近寄らず」です。

 たとえば、嫌い・苦手なひとが近くにいたら、なるべく見ないようにします。

 愚痴や悪口などが聞こえてきたら、聞こえないように遠くに行きます。

 ちなみに、わざわざ嫌いなひとを目で追いかけて、思い出して、積極的に気分を害するひとがいますね(まじまじと見て不機嫌そうな顔をしているひと)。

 こうしたひとは、反応することを選んでいるのです。

 でも「反応すると、すぐ結生する」という心の性質を思い出してください。

 結生すると、尾を引きます。なるべく反応しないこと、刺激を遠ざけることが、結局は一番賢いのです。

 そこで、「刺激に触れたらどうなるか?」を、あらかじめ考えましょう。

 スマホ、ネット、テレビ、ゲーム……「これに触れたら(一度手を伸ばしたら)、心はどうなってしまうだろう?」と、最初に考えるようにするのです。

「すぐ結生するだろうな、イライラするだろうな」「自分の性格が悪くなっちゃうな」と思ったら、目を向けないように頑張るのです。