聞き方と話し方の技術を磨きあげることで、月収20万円のOLから、年商1億円の「オンライン起業スクール」のカリスマ経営者になった女性がいる。アメリカ16代大統領リンカーンの当選メソッドも取り入れた、彼女の成功法則とはなんなのか。本稿は、三浦さやか『ごく普通のOLが1億円を生み出した「聞き方・話し方」の法則50』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

お金を生む「聞き方」の極意
うなずきは会話を加速させる

アメリカ16代大統領リンカーンWikipediaより

 コミュニケーションの場において、聞き方と話し方の“黄金比”は9対1。

「全体の9割は相手の話を聞く姿勢」が理想的とされます。

 非言語コミュニケーションも重要とされ、ここでは特に「うなずき」にスポットを当ててお話しします。

 言葉を発しなくても、うなずくだけで、話し手に「親しみやすい」「話しやすい」と感じてもらいやすくなります。

「うなずき」とは「あなたの考えを受け入れます」という意思を手軽に、かつ効率よく伝えられる、コストパフォーマンスに優れた手段なのです。

 ただし、よく見られる「小さく、弱いうなずき」には、あまり期待できません。

 うなずき効果を意識しながら、「大きく、強い相づち」を習慣にしてみてください。

 特に、オンライン上では「大げさかな?」と気になるくらいのオーバーリアクションがおすすめです。

 カメラ越しでは、「小さく、弱いうなずき」は、より目立たなくなるからです。

 私が、あるメディアに取材されたときの経験をお伝えしておきましょう。

 オンラインで、初対面の記者さんに取材をしてもらったことがあります。

 その記者さんのうなずき方が絶妙だったので、面識がなかったにもかかわらず、私の緊張はすぐにほどけました。また難しい質問も多くいただきましたが、伝えたかったことを、臆せず雄弁に伝えることができました。

 つまり「リアルに対面していない状況」で「聞き手とは面識がない」という二重に悪条件の取材でしたが、聞き手の“うなずき効果”のおかげで、会話は予想以上に弾んだのです。

 また、話し手のペースに、うなずきの速さを合わせられれば“上級者”です。

 相手が早口でテンポよく話しているときには、軽快に何度もうなずく。

 真面目なことや、重いテーマを話しているときには、深くゆっくりうなずく。

 そんな気遣いも、相手への共感を表す表現になります。

 さらに余裕があれば、肯定的な相づちもセットで使いましょう。

 たとえば「はい」「確かに」「そうですね」などの相づちです。

 小泉進次郎さんが、以前「好感を持ってもらう相づち」として、次の5つのフレーズを紹介されていました。その頭文字をとると、「さしすせそ」になります。

さ…「さすがですね」
し…「知らなかったです」
す…「すごいですね」
せ…「センスいいですね」
そ…「そうなんですね」

 もちろん、この5つのフレーズだけに限りません。

 肯定的、建設的な言葉であれば、会話の促進剤になってくれます。

 ポジティブな語彙を増やして、うなずき&相づち名人を目指していきましょう。