前述のバリー・ボンズの場合、01年に9打席に2回のペースで歩かされながらも残り7打席にハイペースでホームランを打ち続けたことが、ホームラン王につながりました。

 大谷選手の場合、残りはまだ66試合あります。2番バッターは打席が回ってくる回数も多く、おそらく330打席はチャンスがあるでしょう。ボンズと同じペースで歩かされたとしても、257打数のチャンスがあります。

 そこでポイントとなるのは、平常心でホームラン打率1割をキープできるかどうかでしょう。勝負してもらえる打席数が減ったとしても、ホームラン打率1割ならあと25本。シーズン合計で60本が狙えます。

1番の不安はケガ
2番目の不安は「飛距離」

(2)それ以外に不安要素はないのか?

 一番の不安はケガでしょう。無事にシーズンを終えられることを心から祈っています。ちなみに大谷選手の最大のライバルであるヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が今年ホームラン王を狙うことができないのは、ケガで長期離脱しているからです。

 そのジャッジ選手ですが、実は今シーズンの故障前の成績でも175打数19ホームランで、ホームラン打率1割0分9厘と圧巻の数字を残しています。そして終盤戦にはスタメンに復帰するでしょう。私は実はジャッジ選手のファンなので、早く元気な姿を見たいと思っています。

 一方の大谷選手は、7月に入っても勢いは止まらず、7月のここまでのホームラン打率は1割2分5厘とハイペースです。その意味では死角はないようにも思えますが、実はひとつ不安な数字があります。それは飛距離です。