(2)損保ジャパンは
説明責任を強く問われるだろう

 さて、7月25日のビッグモーターの記者会見で非常に興味深いやり取りがありました。

 同社の兼重宏行前社長が途中まで不正に関与した社員について「刑事告発する」と主張していたのですが、会見の最後に「先ほど刑事告発の話をしましたが、質問を受けて考えてみると、その責任も私にあるなと。そこまでする必要はないなと考え直しましたので、訂正します」と発言を修正したのです。

 刑事告発をすれば当然社内に捜査の手が入りますし、裁判を通じて事実関係が明らかになります。刑事告発をしないことにすればそれがなくなります。

 これは私の視点ですが、現在被害者の立場にある損保ジャパンがビッグモーターを刑事告発をするかしないかが、この事件の試金石になるでしょう。予測としてはこの先、損保ジャパンは今回の事件についての説明責任を強く求められるようになります。

 被害者である損保ジャパンの白川儀一社長は今回の事件について、「会社全体としてビッグモーターの不正行為を見抜けなかった」と陳謝しています。一方で、この謝罪について疑念を向ける報道があります。