企業が、海外在住の人材を継続雇用&新規採用するときに心がけること

ある調査によれば、海外赴任時の帯同家族の就労について、6割の企業が「希望があれば認めるが、支援はしていない」と回答している。働き方改革や新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、時間と場所を選ばない「リモートワーク」は一般化したものの、海外在住者が日本企業で働くことのハードルはまだ高いようだ。ホーチミン(ベトナム)に在住し、フルリモートで日本企業の広報・マーケティング業務を担う東加菜さん(michinaru株式会社 マーケティング・広報担当)が、関係者の取材などから“越境リモートワーカー”の価値を語る。(ダイヤモンド社 人材開発編集部)

働き方改革とコロナで増えた“越境リモートワーカー”

 働き方改革や新型コロナウイルス感染症の拡大を機に一般化したリモートワーク。リモートワークの普及によって、かつては難しいとされていた海外に生活拠点を置きながら日本企業の仕事を担う“越境リモートワーカー”が、昨今増えています。

 私自身、2022年3月からベトナムのホーチミンに生活拠点を移し、フルリモートで日本企業の広報・マーケティング業務を担う越境リモートワーカーです。

 今回は、「越境リモートワーカー登用のススメ」と題し、海外から日本の企業で仕事をする方々の実態や雇用側である経営・人事部門の方々の声を通じて、日本の企業が海外在住の人材を雇用することで得られるメリットや採用時に留意すべきポイントについてお伝えしていきます。

 本稿における、“越境リモートワーカー”とは、「生活拠点を海外に置きながら、国境や時差を超えて、日本の企業で仕事を行う方々」を指します。では、こうした働き方を希望する方々は、どのような状況なのでしょうか。2人のケースを挙げます。

ケース1:一般社団法人日本プロポーザルマネジメント協会 西亜希子さん(シンガポール在住)
 日本在住時の2022年8月に同団体に正社員として入社。入社後、配偶者の海外赴任(シンガポール)が決まり、2023年3月に小・中学生のお子さん2人とともに渡星。その後もフルリモートで就労を継続し、アメリカ、イギリスなどの海外企業との英語での事務調整や経理業務を担当されています。

ケース2:株式会社Waris 篠原未来さん(2023年9月よりアメリカ移住予定)
 2019年12月に同社に入社。別会社に勤務する配偶者の海外赴任に伴い、2023年9月から渡米予定。篠原さんは、過去にイランやアラブ首長国連邦、南アフリカへの帯同経験があり、今回は4カ国目になるそうです。同社では、人事・マーケティング業務を担当されており、会社や上司と相談のうえ、渡米後も就労を継続される予定です。同社には、以前、韓国や台湾から仕事をするメンバーも在籍していました。

 このように「海外から日本の企業への就労」を希望する方の多くは、パートナー(配偶者など)の海外赴任に伴い、日本在住時に勤めていた企業での就労を継続したい、もしくは、新たに(海外から)日本の企業への就労を希望する駐在妻・駐在夫の方々です。

 そうした方々を日本の企業が雇用継続、あるいは新規採用するメリットはどこにあるのでしょうか。