「あれ? いま何しようとしてたんだっけ?」「ほら、あの人、名前なんていうんだっけ?」「昨日の晩ごはん、何食べんたんだっけ?」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、もの忘れが激しくなってきた。「ちょっと忘れた」というレベルではなく、「しょっちゅう忘れてしまう」「名前が出てこない」のが、もう当たり前。それもこれも「年をとったせいだ」と思うかもしれない。けれど、ちょっと待った! それは、まったくの勘違いかもしれないのです。
そこで参考にしたいのが、認知症患者と向き合ってきた医師・松原英多氏の著書『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)だ。本書は、若い人はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも脳が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、脳の衰えを感じている人が陥りがちな勘違いと長生きしても脳が老けない方法を解き明かす。

【91歳の医師が明かす】なぜ太っていると血圧が上がるのか?イラスト:chichols

軽自動車のエンジンで
大型トラックを走らせる?

【前回】からの続き それにしても、なぜ太っていると血圧が上がるのでしょうか?

どれだけ太っても、血液を送り出す心臓のサイズは変わりません。

そのため太ると、軽自動車のエンジン(心臓)で、大量の荷物を積んだトラック(太った身体)を走らせるように、エンジン(心臓)に大きな負担がかかるようになるのです。

高血圧のシンプルなメカニズム

太った身体の隅々まで血液を巡らせるため、心臓は強い圧力で血液を送り出そうと頑張らなくてはらないので、血圧が上がるというわけです。

ただし、自分が太っているか、太っていないのかは、独断や主観で決めないでください。

医学的には、身長と体重から求める体格指数(BMI=体重[kg]を身長[m]で2回割った値)が25以上だと肥満とされます。

そもそも「肥満」とは何か?

本来、肥満とは、無駄な体脂肪が体内にたまりすぎた状態です。

しかし、体脂肪率を正確に測るのは難しいものです(家庭用の体組成計・体脂肪計で測る値は、電気抵抗から類推した参考値でしかありません)。

そこで体脂肪率と相関性が高いBMIを、肥満の判断基準としています。つまりBMIが高いほど、体脂肪率も高くなる傾向があるということです。【次回へ続く】

※本稿は、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』より一部を抜粋・編集したものです。