その後、16年に花春酒造の事業譲渡を任されたのが、会津出身の幸楽苑ホールディングス社長の新井田傳さんだ。再出発を図る際、柏木さんを杜氏として呼び戻し、高品質で価格を抑えた酒造りへと邁進する。会津魂を酒に込めるため、社員総出で米作りも開始。米は手洗い、麹も手造りで、徹底少量仕込みの新銘柄「天宮」を立ち上げる。大きな蔵が始めた小さな挑戦。県外の特約店でも取り扱いが始まった。

新日本酒紀行「天宮」天宮 純米吟醸
●花春酒造・福島県会津若松市神指町大字中四合字小見前24-1●代表銘柄:天宮、結芽の奏、花春、神指●杜氏:柏木純子●主要な米の品種:まいひめ、夢の香、コシヒカリ
新日本酒紀行「天宮」蔵は売店も併設 Photo by Yohko Yamamoto
新日本酒紀行「天宮」蔵の歴史を紹介 Photo by Yohko Yamamoto