フーディーツアーでは次々と店を案内され、地元で人気のローカルフードがどんどん目の前に差し出される。珍しいのはターメリック(ウコン)のフレッシュ・ジュース。イスラエルでは搾りたてのジューススタンドがあちこちにあって、旅の喉を潤してくれるが、これは初めての体験。マンゴジュースのようなトロっとした舌ざわりに生姜風のピリっとした刺激が加わる。「他になんの果物やスパイスが入っているの?」と尋ねると「それは秘密よ」と笑顔ではぐらかされた。
食べ歩きのラストは「うちの家族もみなここのフムスがお気に入り」というフーディツアーのガイドさんイチオシの「イエメン風フムス」の店へ。イスラエルでは誰でもお気に入りのフムスを出すレストランを持っているそうで、日本だと行きつけの蕎麦屋がある、という感じだ。
イエメンからの移民一家が経営するレストランのフムスがテーブルを彩る。まずは見た目の美しさに圧倒された。「食べるのがもったない」と盛り付けに手を出しそびれていると、シェフが「どんどん食べて!食べないと味がわからないよ」と冗談交じりに皿を勧めてくれた。言われたままに生の玉ねぎをはがしてフムスをすくい食べてみる。日本と異なり辛みがまったくない玉ねぎがヒヨコ豆のペーストとマッチしてヤミツキになり、次から次にすくって食べたくなる。
フムスはひよこ豆のペーストなので、豆腐や湯葉といった豆料理に親しんだ日本人の舌に合うのだが、日本にはない魅力の味だ。なんと気づくとひと皿すっかり平らげていた。濃厚だが飽きない味のレシピは父から子へ一子相伝だそう。門外不出の味なので「日本の人にもここに食べに来てほしい」と笑顔で語ってくれた。
住所 Rehov Yishkon 29, Tel Aviv 6560629 Israel
営業時間 08:30~16:30 金曜15:00まで 土曜休業
FB https://www.facebook.com/shlomodoronhumus/