先日のある朝、約18人の米海兵隊員をそれぞれ乗せたティルトローター輸送機「オスプレイ」3機がオーストラリア北部のへき地にあるこの空軍基地から飛び立った。約700マイル(約1130キロメートル)離れたブルームズベリーという名の町に着陸すると、隊員らは急いでオスプレイから飛び降り、近くに家や家畜が見える未舗装の道路沿いに陣を敷いた。この機動作戦は、米軍の対中抑止戦略の一部だ。中国は台湾を自国の領土の一部だと主張しており、米当局は中国が台湾に侵攻する可能性に備えているとみている。中東で20年間にわたり地上戦を戦った米海兵隊が現在行っているのが、小規模で機動性があり、探知が困難なチームで臨時基地を設置し、インド太平洋の島から島へと移動し、ロケットや航空機などの兵器を使用して付近の重要な水路を敵に利用されるのを阻止する訓練だ。米海兵隊にとって、オーストラリアの熱帯地域にあり、パプアニューギニア島から遠くない場所にあるシャーガー空軍基地は、領有権争いが頻発している南シナ海や台湾周辺などの地域で部隊が直面する可能性のある気候条件を提供している。
対中戦に備える米海兵隊 米の戦術シフトを象徴
インド太平洋での実戦想定、環境の似た豪北部で訓練
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