「料理が好きだから」
 「安上がりだから」

 それだけの理由で、職場に自分で作ったお弁当を持参する人はさほど多くない。料理が好きでも、平日の昼食は仕事の一部、流れ作業のようなものだろうし、安くあげたいだけなら、カップ麺ひとつですませれば良い話だ。その中で、あえて弁当を手づくりするメリットとは?

 そこには、外食や中食で不足しがちなビタミン、ミネラルを補って体の疲れを取ること以上に、混雑する食堂やコンビニでの購買というストレスから解放され時間を有意義に使える、忙殺されがちな職場で自分時間を取り戻せる、というメリットがある。長時間労働の中での貴重な昼休み。実は休むというより疲れることをしている…という人が少なくないのではないだろうか。その一方でお弁当を持参すれば、デスクで休みたい人は休めるし、仕事をしたい人は仕事ができるのだ。

お弁当作りのために
早起きはしなくてもいい!?

 そうしてせっかく生む時間を、作る時間で帳消しにしないよう、お弁当作りの時間はできるだけ短縮したい。同時に、お弁当を作るというより、多忙な中で料理を続けるポイントは、頑張りすぎないこと、に尽きる。頑張ってつくる料理が一品あったら、あとは混ぜるだけ、焼くだけ、という手間のかからない料理を選んだ方が良いし、そういった料理は、調味料をそんなに使わずカロリーオフになったり、加熱時間が短くてビタミンの損失が少ない、といったメリットもある。手間がかからない=手抜き=悪いこと、ではない。また、ちょっとくらい見た目が悪くてもカバーしてくれるくらいのお弁当箱やお皿(値段とは関係なく、センスとして)を使うのもおすすめだ。

 6時には起きて30分後には家を出なくてはいけない早起きさんも、朝、ちょっとでも多く寝ていたい人も、皆、お弁当単体で作るより、自宅でのごはんの延長線上として考えると良いだろう。その方がはるかに楽だし、時間が短縮できる。その上、何食分かをまとめて作ることで、食材が中途半端に残ってしまうのを防げるし、光熱費の面でも効率的。なにより、疲れて買い物をする気力もなかった日に、帰ってすぐに、簡単でも食べられるものがあるというのは魅力的だ。