「売り上げが高い=優秀」
とは限らない
企業の目的は、売り上げである「風船」を大きく膨らませること!
たしかにそうかもしれませんが、実は風船が大きくてもなかなか上昇しないケースもあります。
上の図は、カフェで売っている製品A~Fの売り上げ、変動費、限界利益を示したものです。最も売り上げが高いのはB、その次はFです。これらのなかでは、この2製品が優秀だと思われるかもしれません。
しかしその内容を見てみると、Fはかなり多くの変動費を使っているため、限界利益はたったの50万円しかありません。
これを風船に置き換えてみると一目瞭然。最も高く浮き上がっているのはAであり、Fは地面スレスレを飛んでいることが分かります。私たちは普段ついつい風船の外観(売り上げ)ばかりに意識を向けがちですが、意識を向けるべきポイントは風船の中のヘリウムガス(限界利益)なのです。
また、製品別の売り上げ、変動費、限界利益などを風船型のイラストに置き換えると、会計や財務に明るくない社員でも、自社の状況が手に取るように分かります。「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、これが数字のままだと、実際に経営に活かすのはなかなか難しいです。
この例ではたった6製品なので、数字でもまだ理解できます。しかし、実際には何十製品、何百製品と取り扱っている企業も多いです。人間の脳は、数字がズラッと並んでいる資料を好き好んで見ようとはしません。また、会計とは関係のない部署の人たちに、経費や限界利益、変動費などという言葉は響きにくいです。
風船で表すことによって、「F製品はコーヒー豆にお金を使い過ぎているみたいだから、もう少し安い豆に変えてみようかな」、「A製品は風船が高く浮き上がっているけれど、まだまだ大きさは小さいから、利益と費用のバランスを変えないようにしながら売り上げ拡大してみようかな」といったアイデアが次々と出てきます。
このアイデア出しは、部署や役職に関係なく誰でもできます。風船というメタファーを使うことによって、誰にも忖度する必要なく意見が言えるのです。
まずは自社の売り上げや費用を風船に置き換えることから始めてみましょう!