かつては「子どもの玩具」というイメージが強かったカプセルトイ(おなじみの“ガチャガチャ”という呼称はバンダイの保有する商標)が、大きな変化を迎えている。大人の間で大ブームなのだ。平均価格は100円から400円に上がり、中には1000円を超すマシンもあるという。実は、ブームの裏には「意外な理由」がある。(吉田由紀子 5時から作家塾)
カプセルトイが
大人の間で大ブーム
カプセルトイを、スーパーやゲームセンターで目にする機会は多い。かつて、カプセルトイは、子どもがお小遣いで楽しむ「玩具」だった。しかしここ数年、大きく様相が変わっているのをご存じだろうか?
1つの店舗に設置されるマシンが100台を超えるのは当たり前。中には1000台以上の店もあり、都市部には大型店が次々と出店している。
「カプセルトイは現在、間違いなく第5次ブームに突入しています。メインターゲットは、完全に大人世代にシフトしていますし、以前は100円程度だった料金が、今では平均400円まで値上がりしていて、中には1000円を超すマシンも登場しています。これまでのカプセルトイとは、全く違う状況になっています」
ブームの背景を説明してくれたのは、一般社団法人日本カプセルトイ協会・代表理事の都築祐介さん。自身の経営する会社でも10年前にカプセルトイ専門店を出店しており、年に30%のペースで売り上げが増加しているという。
同協会が、カプセルトイを製造するメーカー30社に調査をしたところ、今年の売り上げはどこも好調で、市場規模はおよそ720億円。急成長を遂げている状態だ。
なぜ、ここまで市場が拡大しているのだろうか?