「サーキュラー・エコノミー」を考える
「循環ガチャ」という商品も

 商品の高額化、まちおこしに活用、キャッシュレスなど、多様化しているカプセルトイ――最近では、時代を反映したマシンも登場している。

 その一つが「循環ガチャ」。コインではなく、ペットボトルのキャップを投入すると景品が出てくるユニークな試みである。

カプセルトイが“大人”に大ブーム!「最大の理由は…」専門家が明かした意外な要因とは?硬貨ではなく、ペットボトルのキャップを投入する「循環ガチャ」。循環型経済を普及させるために開発された 画像提供:ハーチ

 このマシンを手がけるのは、循環型経済を推進するハーチというベンチャー企業。今年2月、同社の横浜オフィス兼ギャラリーにおける展示会で試験的に設置したところ、大きな話題を集めた。

「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)を身近に体験してもらおうと、循環ガチャを設置してみたのですが、予想以上の反響がありました。ご家族連れの来場者が多く、『キャップを使用することで、自然と循環型経済に関心を持つようになった』――こんな感想が多く寄せられました」と話してくれたのは、ハーチ・サーキュラーヨコハマ事業推進担当の室井梨那さん。

 ちなみに、この循環ガチャ、景品も全てリサイクル素材で作られている。プラスチックを再利用したキーホルダーや文房具、地元横浜産の蜂蜜で作ったキャンディー、衣類の端切れをアップサイクルしたアクセサリーなど、どれも工夫が凝らされたものばかりだ。

 マシンの開発には「ファブラボ広島安芸高田」が公開するオープンソースを活用し、地元の神奈川大学にある工房「ファブラボみなとみらい」が制作している。

「横浜の資源循環を実現するための試みです。循環ガチャは移動式になっているので、どこでも楽しんでいただくことができます。この5月には東京・赤坂のイベントにも出店しました。ガチャを通して知らない方々がつながっていくことで、一層の循環型経済を実現したいと考えているところです」(室井さん)

 アメリカで生まれ、1965年、日本に導入されたカプセルトイは、60年近い歴史を持っている。80年代には「キンケシ(キン肉マン消しゴム)」が大ヒット。2012年に『コップのフチ子』が話題になったのは記憶に新しい。このように何度かのブームを経て、今や世代を超えた「身近な遊び」になったカプセルトイ。未体験の方は、一度遊んでみてはいかがだろうか。