コロナ禍前は日本土産として
外国人にウケていた

「最大の理由は、コロナ禍です。2020年に始まったコロナウイルスの感染拡大により、多くの店舗が閉店・撤退を余儀なくされました。そのため、全国の商業施設に多数の空きスペースができ、その空間をカプセルトイ専門店として利用するケースが急増したのです」(都築祐介さん、以下同)

 カプセルトイは店員を配置せず、無人で運営ができる。その上、初期費用が安くて済む。さらに短期間で出店することも可能だ。

「人との接触を避けたいお客さんが、身近で安全に遊べるカプセルトイに殺到しました。マシンは電気を使わないので、他の業態に比べ、ランニングコストを安く抑えることができます。さらに専門店が増えたことで、今まで関心の薄かったお客さんも購入するようになりました。こういった理由で成長したと分析しています」

 実は、コロナ禍以前から、カプセルトイはブームになっていた。主要な購入層は、日本を訪れる外国人観光客であった。

「カプセルトイはお土産としてちょうど良いサイズですし、持ち帰るのも簡単です。日本のミニチュア品やアニメキャラは、海外では大人気ですから、アッという間に日本を代表するお土産になりました」

 カプセルトイは、今や日本のサブカルを代表するグッズと言っても過言ではない。コロナの制限が緩和された現在、外国人観光客が再びカプセルトイを楽しもうと店舗に詰めかけている。都築さんが経営する東京・渋谷の大型店でも、来店客の半数は外国人だという。