マックとニトリが「逆バリ値下げ」2社でまったく異なる“背景事情”とは?写真はイメージです Photo:123RF

ファストフード大手のマクドナルドが、ポテトの期間限定「値下げ」に踏み切りました。ニトリも9月25日までの期間限定で、値下げキャンペーンを行なっています。実は、2社が行う物価高騰下の「逆バリ値下げ」には、全く異なる“背景事情”があるのです。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

値上げラッシュ下でマックが逆バリ!
ポテトを「値下げ」、狙いは?

 値上げラッシュが止まらない中、マクドナルドが「値下げ」を決行しました。8月21日(月)から9月1日(金)までの12日間限定で、「マックフライポテト」のM・Lサイズを一律250円にしています。Lサイズなら130円の値下げになります。

 私は、この値下げの狙いは“酷暑で離れた顧客に対するリハビリ”だと認識しています。猛暑日が続いたこの7月、日本マクドナルドの既存店の客数は前年比で2.2%のマイナスでした。酷暑は8月の方がひどかったわけですから、8月の月次動向でも客数は厳しい数字になるのではないでしょうか。

 私もこの夏はなるべく外出せずに、クーラーの効いた自宅で過ごすようにしていました。そうするうちに、これまで当たり前のように行ってきた活動を忘れてしまうものです。それまで買い物に出かけたらついでにマクドナルドに寄って休憩していた人も、暑さを避けるために買い物が終わったら一目散に自宅に戻っていたのがこの夏です。

 そういった人たちに、「外出したら途中でマックに立ち寄って一休みするのが普通だったよね」と思い出してもらうためには、何かする必要があるわけです。それが今回のポテトの大幅値下げで、「だったらマックに立ち寄ろうか」と帰ってきたお客さんたちは、それをきっかけにマックに立ち寄る習慣を思い出してくれるのです。