イライラして眠れない、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。最新作の本書では、心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して紹介する。
悩んで気持ちが下向きになっているときは、心の中が灰色の雲で覆われている。その灰色の雲からは、ポツリポツリと雨が落ち始め、大雨となって地上に降り注ぐ。地上に降り注いだ雨は乾いた大地を潤していく。
気持ちが上向きになると、太陽の光が差し込み、海や川の水が蒸発して白い雲になる。白い雲はやがて雨雲に変わり、雨雲から雨が地上に降り注ぎ、地上の水はまた雨になり、循環させて地を潤す。そうして思い悩んだぶんだけ心が豊かになっていく。
考えても仕方ないことを考え続けてしまう…
ある男性は、ちょっとしたことを受け流せずに悩み続けていました。
普通の人だったら受け流せるようなことでも、真に受けて気分がどんどん落ち込みます。
SNSにアンチコメントが書き込まれても、普通の人は「変な人がいるもんだな」と受け流せるのに、その男性は「なんでこんなことを書かれるんだろう?」と思い悩んでしまいます。
「考えるだけ時間のムダだ」と思って、気を紛らわそうとするのですが、気づくとまた思い出してしまって、そんな自分のことも嫌になってしまうのです。
心がふっとラクになる「魔法のフレーズ」
そんなときに「意味がない悩みは存在しない」というフレーズをカウンセラーから教えてもらいます。思い悩んでしまう人に効果的なフレーズとのこと。
「意味がない悩みは存在しない」というのは、どこかで聞いたようなフレーズだけれど、それを唱えて何が変わるの? そう思いながらも、悩みが浮かんだときに唱えてみます。
寝るときにもフレーズを唱えようとして、「意味がある悩みなんて存在しない」の間違いじゃないかな? と思っていたら、いつの間にか眠っています。
……
夢の中には、クヨクヨと思い悩んで、下を向いて涙を流している自分がいます。
悩んで気持ちが下向きになっているとき、空は灰色の雲で覆われています。その灰色の雲からは雨が地上に降り注ぎ、雨は大地を潤していきます。
だんだんと気持ちが上向きになってきて、空を見上げると、雲の切れ間から太陽の光が差し込んで、地面や海や川の水が照らされていきます。すると、海や川の水は温められて上空で雨雲となっていきます。
灰色の雲の下にいる自分と、光に照らされている自分。雨雲が雨を降らせて地上をどんどん豊かにし、太陽の光によって再び海や川の水が蒸発していき、雲になる。
そんな風景を目の当たりにして、夢の中で思わず「なんてきれいなんだ!」と叫びます。
「繊細さ」は自分の才能だった
朝起きると、心が軽くなっています。
その男性は「ちょっとしたことでも気になってしまうのは、心の隅々まで光に照らされているからなんだ!」と不思議なことを思いつきます。
自分だけどうしてこんなに些細なことで悩むんだろう、と思っていたけれど、光が当たらなければ心の隅にある悩み、苦しみは照らされない。
それが光によって照らされたときに、悩み、苦しみは蒸発していき、前向きに考えて行動できるようになる。
蒸発した悩みや苦しみは雲になって地上に雨を降らせ、乾いた地面を潤わせる。そして、私の心はどんどん豊かになり、他人の心の痛みや苦しみを感じられるようになる。
心が乾いていたら他人の心の痛みまで感じることができないけれど、心が潤ったら、共に痛みを感じることができて、ますます心が豊かになっていく。
そんなことを思うと、「意味がない悩みは存在しない」と唱えるのが楽しみになっていったのです。
(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)