眞子さんのご結婚は
何が問題だったのか

 秋篠宮家の眞子さんの結婚については、何が問題であったかを総括しておこう。中学校から女子校だった眞子さんが、大学生になって手近なところで恋に落ちた。その相手である小室圭氏はインターナショナルスクール出身で、音楽などの教養もあって礼儀正しく、留学経験もある。そして父親は公務員だったというのだから、安心だと普通の親でも思うだろう。

 いまは身辺調査などしたらトラブルのもとである。一般社会でもそうなのだから、皇室であればなおさらだ。それゆえ、小室氏の身辺調査などは行わず、二人が収入相応につつましやかに暮らしてくれたらそれでいいと秋篠宮ご夫妻も考えた。

 しかし、後に明らかになったのは、小室家のぜいたくな生活を支えたのは、怪しげな手段で得た資金であり、父親や祖父母の自殺の原因の一端は母親のぜいたくにある疑念も出てきたし、人生設計のいい加減さも心配になってきた。それでも秋篠宮殿下は、小室氏が誠意ある対応をすることを条件にされたが、反応は不満足なものだった。

 結局、眞子さんがどうしても結婚したいというので、1億数千万円の一時金を放棄し、皇室と当面、親戚付き合いはしないことで結婚した。それゆえ、最初から疑問を呈していた私だって歓迎したくはないが、秋篠宮家としても眞子さんもけじめを可能な限りつけたと褒めて良い。

 小室家を巡る問題の浮上後、かなりの期間、「何が問題なのか、誹謗(ひぼう)だ」と言い続けたマスコミ多数派の付和雷同が、眞子さんに結婚を見直すべきタイミングを失しさせたし、その後の手のひら返しは彼女にとってマスコミ不信の原因になったと思う。眞子さんからすれば、けじめは最大限つけたのに、過度の攻撃を続けるのは理不尽だろう。

 皇族報道では、明らかに批判するべきことを批判せず、よいしょに徹し、一方で、「この皇族は批判してやろう」という空気が出てくると、理不尽な袋だたきが行われる。

 それに対して、「パーフェクト婚」などと言われる守谷夫妻の結婚により「ほどほどに常識的」な結婚がいいという価値観が大手を振って唱えられるようになった。これは社会にも良い影響を及ぼしていると思うし、佳子さまや愛子さまの結婚の選択肢を広げることになると思う。