耐震診断をしたら補強工事までする覚悟がないと、資産価値が下がるだけです。だったらまだやらない方がいいです。

 なぜなら、耐震診断やってないなら、やってませんと説明すればいいだけなので、売却時にマイナスの影響はないからです。

 これは本当ならやるべき、とアドバイスしたいところですが、安易に耐震診断やってしまうと、その先が本当に大変になります。

考えるべきポイント

 旧耐震基準の物件で耐震診断を実施するなら、ほぼ間違いなく「耐震補強の必要あり」との診断が出るとの想定のもと、それだけのお金の準備ができているのか、修繕積立金残高はあるのか。ないなら、大幅な修繕積立金の値上げに、組合員から賛成が得られるのか、そこまで想定してからやるべきです。

 そうしないと、耐震診断結果が出た瞬間パニックになります。売ろうとする人が出てくるでしょう。

 でも、耐震診断不合格のレッテルが貼られることを宅建業者から聞いて、怒り出す区分所有者出てくるでしょう。

 これは本当にあり得ることなので、本当に慎重に考えることをお勧めします。今現在で傾いているとか、すでに目に見えて症状が出ているならもう仕方がないですが、そうでないなら慎重に考えてください。