浦和は同時に、JFAから追って科される処分も「厳粛に受け止める」と謝罪した。そのJFAは同31日に臨時理事会をオンラインで開催。暴力や破壊などの違反行為などに及んだ18人を特定し、そのうち17人に対して、日本国内で行われる全ての試合を対象に無期限の入場禁止処分を科した。
浦和も同日、先に処分を科していた31人のなかにJFAが特定した17人が含まれると発表。この面々に対するクラブ独自の追加処分として、試合への入場禁止を無期限にした上で、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)や浦和がアジア王者として出場するFIFAクラブW杯など、日本国外で行われる試合も「無期限入場禁止」の対象に加えた。先述した処分の内容を、より重いものに変更したわけだ。
なぜ浦和サポーターばかりが
問題を起こすのか?
今後は浦和に対してもJFAから処分が科されるが、一方である疑問が頭をもたげてくる。
浦和サポーターを巡っては今年4月の名古屋とのリーグ戦(豊田スタジアム)でも、警備員への頭突きや胸倉をつかむといった暴行行為などが確認され、浦和側が謝罪している。
昨年7月には、コロナ禍で禁止されていた声出し応援を繰り返した一部の浦和サポーターを管理できなかったとして、Jリーグがけん責と歴代最高額に並ぶ2000万円の制裁金を浦和へ科した。
2014年3月8日には、埼玉スタジアムでのリーグ戦で一部サポーターが人種・民族差別を想起させる横断幕を掲出。試合終了まで撤去できなかった浦和側の運営責任も問われた結果として、同23日の清水エスパルス戦で、Jリーグで史上初となる無観客試合が科されている。
2008年5月17日のガンバ大阪とのリーグ戦後には、埼玉スタジアムのゴール裏で両軍のサポーター同士による小競り合いが発生。このときは安全管理義務を怠った浦和に2000万円の、自軍サポーターによる挑発を予防できなかったガンバにも1000万円の制裁金がそれぞれ科されている。
サポーターが絡んだ大きな事案を振り返ったときに、必ずと言っていいほど浦和の名前が挙がるのはなぜなのか。名古屋との天皇杯で乱入事案が発生してから3日後の8月5日。浦和が実施したオンライン会見における質疑応答のなかに、その理由を垣間見ることができる。
まずは今回の事態が起こった理由について、田口誠代表取締役社長がこう答えている。
「サポーターによる規則やルールを守る意識、それを正すクラブの姿勢に問題がありました。過去から同じような問題が繰り返されてきたなかで、それらが指摘されています」