迷惑サポーターは「サッカーを見ていない」?
記者会見で飛んだ厳しい指摘

 さらに問題を起こし続ける一部サポーターに関して、会見参加者から核心を突く質問が飛んだ。

――彼らは普段の試合でも流れに関係なく旗を振り、歌を歌い、あたかも応援のようなことをしつつサッカーそのものを見ないし、楽しまない。サッカーを自分たちの欲求を満たす手段と考えているように思えてならない。(中略)にもかかわらず、そうした人たちに話し合いの場を求められると、密室のなかでクラブの担当者が対応を繰り返してきた歴史が今回の問題を引き起こしたと考えている。(中略)このあたりについて明確に示してもらいたい。

 これに対して田口社長は、「今回の違反行為を起こしたサポーターは、非常に熱狂的なスタイルで応援している」と位置付けた。その上で、座ったまま静かに応援するなど、対照的なスタイルのサポーターがゴール裏から排除されるケースも少なくなかったとこれまでの経緯を悔やんだ。

「いろいろな方法を尊重しなければいけないのに、一部の(熱狂的なサポーターの)意見を尊重したきらいはあると思います。そういう理由でスタジアムに足を運ばなくなってしまった方も数多くいると思われるなかで、そういう方々の声に耳を傾けきれなかったことにクラブとして反省しています」

 田口社長によれば、天皇杯での乱入事案を境に「ああいう人たちを排除して、子どもたちが安心して観戦できる環境を作ってください」といった声も数多く寄せられているという。

――相手サポーターに対して、敵意を持って向かっていった今回はそれまでの事案とは違う。そういうやからもサポーターとして認めるのか。彼らは浦和のサポーターでも何でもないのではないか。彼らに何か弱みでも握られているから守る。そう思われても仕方がないのではないか。

 問題を起こしたサポーターの排除を求める、さらに踏み込んだ質問に田口社長はこう答えた。

「もちろん違反行為は認められませんが、(熱狂的な一部サポーターの)存在は認めざるを得ない、というところです。応援の方法というのは、どうしても価値観が違ってくる。今回は本当に重い事案ですが、それを規則やルールをもって排除できるのかといえば、実際には難しいと思っています」