内訳としては高校生が多く、鬼怒川以東の通勤・通学客が早くも一定程度利用していることが分かる。ただ以下に述べる下り方面と比較すると利用者は半分程度であり、鬼怒川以西を含め都心方面への通勤・通学需要をどの程度掘り起こせるかが課題となる。
続いて下り方面だ。前述のように郊外に多くの工業団地を抱える宇都宮では、これまで駅と事業所を結ぶ企業バスが多数運行されていたが、8月末を以て運行を終了し、LRTへの転換を促している。
最初に訪れた28日は、企業バスは一部を除き廃止前だったが、その中でも各電車50~60人が乗車していた。宇都宮ライトレール線のHU300形車両の定員は160人のうち座席定員が50人なので、一通り座席が埋まり、ドア付近に立っている人がちらほらいる感じだ。
企業バスは貸し切りバスの車両を用いており、全員着席が前提であったため、LRT転換を促進するには着席通勤がカギになる。平日初日はおおむね満たされていたわけだが、企業バスの運行が終了し、LRTを利用せざるを得なくなった4日になると光景は一変していた。
4日は、現地に到着早々出発した午前7時2分発(B1)が150人近く、つまりほぼ定員を満たす「満員電車」となった。これは午前8時始業の工場にちょうどいいためかもしれないが、始発の新幹線で訪れても午前7時着が限度なので、午前6時台の利用状況は把握できていない(後日、自動車で早朝に行ってみるつもりだ)。
続く午前7時10分発(B2)は80人程度と少なく、18分発(B3)は130人、27分発(B4)は100人程度と電車によってムラがあるのは興味深い。おそらく沿線工場、学校の始業時間に左右されるのだろう。
一方、座席を確保するため次の電車を待つ人も多く、狭いホーム上はかなりの人でひしめき合う。開業直後ということで社員とアルバイトによる旅客整理が行われているが、整列乗車の列を示すラインが急きょ、養生テープで示されていたことからも、ホーム上の混雑は想定以上のものだったかもしれない。